東北にきてください

あれから5ヶ月と1週間。

生きる事に必死だった震災直後。
海の被害がなかった自分でも、食べ物、水、ガス、電気にはしばらく困ったので、
1日1日、家族やまわりのために一所懸命だった。
あんなに考えて必死に家事をしたことは、いままでなかったかもしれない。
食べ物がある幸せ、食器が洗える幸せ、調理できる幸せ。
そこにあるものだけで、工夫して工夫して、家族に食事を出した。
それは主婦であればみんな同じだったと思う。
家族たちも、残さず、最後の1滴まできちんと食べた。
ガソリンもなく、お店の行列に並ぶのもつらかった。

1ヶ月すぎると、ガソリンが買えるようになった。
車が頼りの地方都市。ガソリンがないのは死活問題。
仙台はバス・地下鉄が高い。
だから、ガソリンが本当に貴重だった。
その頃から、いろんな支援に動き始めた。
楽器のこと、楽譜のこと、いろいろ。
そして、4月下旬から今の支援活動を始めた。

その頃はまだ、被害のひどい地域へ入る事はしなかった。
自衛隊や支援車のじゃまになってもいけないし、なによりも危険が伴った。
パンクしても、自分でタイヤも交換できない私に、現地でできる事などその時にはなかった。
余震も頻繁だったから、私には沿岸部がとても遠い場所だった。
入りはじめたのは5月。GWに岩沼に入り、翌週石巻に出向いた。
支援をよびかけて、家の中が倉庫になり、どんどん荷物を運んだ6月7月。
そして8月の今は暖房器具の計画を立てている。

最初は食べるもの、衣類。
その次は、日用品、家電。
これらが少しずつ少しずつ浸透していった。
手つかずの所はたくさんあるにしても、人の生活は動いている。
みんな必死に生きている。

テレビでは以前ほど頻繁に震災のニュースが流れなくなっている。
東北ではローカルニュースでまだまだ地域の情報が流れるけど、
それ以外の地域ではどうなんでしょう。もう何事もなかったかのような感覚なのかな。
よその感覚や空気はわからないけれど、もし震災の事が(原発も含め)遠のいているのなら、
それはやっぱり残念だと思う。

私は頻繁に、このブログに被災地の画像を出す。
被災した方々に申し訳ないと思いながらも、あえて撮影して、ここに載せてきた。
これからもそうしていく。
個人のブログだし、私がしている事もここを見てくれる人たちは、私が何をしているのかを知っているはずだから、私が見てきたもの、感じていること、状況など、いろんなことをここから発信したい。
見たくない人は見ないだろうし、知りたい人はまたここに来てくれるだろうし。
人それぞれ感じ方はいろいろだし、ブログに文章で書くことや載せる画像など、これはほんの一部を表現したまでで、全ての思いでも、全ての状況や行動でもない。
自分の事は自分だけが知っているのであって、それは傍から見ただけではわからないもんね。
このブログだけ見たら、私が毎日毎日支援活動にあけくれているように見えるだろうけど、
そんなことではない。ちゃんと仕事も遊びもやっている。家事は別として(爆)

私は、みんな被災地を見たらいいと思っている。
観光旅行でもボランティアでも何でもいい。
テレビや画像ではなく、ここに来て本当の空気を吸ったらいいと思う。

物見遊山などではない。(そういう人はこないでね)
この時を一緒に生きた同朋として、痛みを分かち合うためにも、知るためにも、
被災地を見たらいいと思う。不謹慎だとは思わない。
ここで何があったのか。
どう変化しているのか。
今どうなっているのか。
見たらいいでしょう。

松島は、このGWに間に合うように、必死にお店や街を整えた。
お客さんに来てもらえるように、観光地松島に来てもらえるように。
がれきや泥を片付け、営業できるようにがんばりにがんばっていた。
そこで、「壊れたものを見ないでください」なんて思っていないはず。
起きた事すべてを含めて、見て、感じて、食べて、遊んでいってほしいから、
GWに合わせて復興を進めていたわけで。
自分たちがどうやって立ちあがってここまでやってきたかを、多くの人に知ってもらいたいでしょう。

だから被災地に来てください。被災地のがんばりを見てください。
ここでお金を使って、痛みを分かち合いながらも、楽しんでください。
少なくとも、営業を再開している所は、お客さんがこないと仕事にならないから。
被災地への旅行が不謹慎だと思う人もいるだろうけど、それはそれとして、
観光は被災地を助ける事になるのも本当のことだから。
もちろん簡単に来られるわけがないけど、ネットショップで地元のものを購入することだってできるから、
そういう形でどんどんお金を使って、自分の楽しみにしたらいいと思う。

三陸道では自衛隊の車列も頻繁に見なくなったし、災害支援車もかなり少ない。
観光客の車が支援の妨げになる時期は過ぎたと、車を運転しながら実感している。

私は、阪神大震災の時、テレビで状況を見るだけで、実感することはできなかった。
まるで映画やドラマを見ているような、そういう感覚すらあった。
実際に「見る」ということは、それほど大きく自分を揺さぶるもの。
私自身がこの5ヶ月どんどん変化してきたのは、この目で見て空気を吸っているから。
ここに悲惨な画像を載せるのは、私のフィルターを通したとしても、
それをできるだけ多くの人に見てもらいたいから。
画像や文章では伝わらない。それは百も承知。
でも来たくてもこられない人のためにも、私はどんなに批判されてもここで書き続ける。

あの現場に立ったら、
どう生きていったらいいのか、何をしたらいいのか、わかるはず。
見なくてもわかる人にはわかるよね。
でも見たらもっとわかる。



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by kabo518 | 2011-08-18 18:42 | 震災・支援