仮設

かつて子どもたちが小さい頃、土浦で平屋の賃貸住宅に住んでいた事があった。
いわゆる、何棟もある平屋の集合住宅。
真冬の夜、外出から戻ると室温が4度だった。
多分断熱材も最低で、すきまもあったのだろう。アリもいっぱい入ってきた。

仮設住宅をテレビや画像で見ると、「新しくていいね!」「きれい!」と思うかもしれない。
この記事にものせたけど、家電もあるし、台所もトイレもお風呂もピカピカ新品。
よかったよかった、とにかくよかった、と確かに思う。

しかし。

シンク下の結露を見てもわかるように、実際に生活をするとなると、かなり支障のある住宅。
普通の住宅で、シンクの裏側に何の処理もしていないなんてアリエナイ。
せっかくの収納場所に水が落ちるなんて、こんな事考えなくてもわかるはず。

たとえば、夏の朝8時。
親子みんなで寝ていた部屋の窓には、いっぱいの結露。
夏の窓に結露ってみたことありますか。私はナイです。

想像してもらいたい。
これが冬だったら。

この窓の結露が窓だけではなく、壁一面にできるはずで、
石油ストーブは特に結露ができやすいから、この部屋の中はどうなってしまうのか。
しかも東北の真冬。
氷と雪に覆われた、このぺらぺらの仮設住宅がどうなってしまうのか。
寝ている布団がどうなってしまうのか。
(布団乾燥機が絶対必要になる)

土浦のあの家を思い出す。
まだ子どもは3人だったけど、小さなあの子たちを抱えて室温4度の部屋に戻った時の気持ち。

夏は熱く、冬は激しく寒い。結露地獄。
見た目は住宅の形をしてきれいかもしれないけど、
ここに実際に住む事がどれだけ大変であるか。

ゴミを容器に入れて外に出しておくと、日当たりのいい棟では、容器にハエ集まって真黒になる。
ペットボトルにお酒や酢などを入れてぶらさげると、確かにたくさんのハエがとれるけど、
実際には、ハエを呼んでしまうので、痛し痒し。
窓は部屋側にしかないので、室内の空気を通そうと思ったら、反対側の玄関を開けるしかない。
居室の反対にある台所側には窓がないので。
玄関に網戸をつけられるところはまだいいとしても、
釘打っちゃいけないのなんのでつけられないところは、ハエも蚊も室内に入り放題。
だから釘を打たせてほしいわけ。

体育館よりマシ。
確かにそう。
でも、体育館に住む事を基準にはできないでしょ。
体育館よりマシ、というのがどういう状態なのか、想像してみてほしい。
仮設に入らず「みなし仮設」(借り上げアパートなど)に入る人が多いのも頷ける。

だから、
仮設に入ってよかったね、がんばってね、ハイおしまい♪ ではないことを、
やっぱり忘れたくはない。

仕事もなく、湿気や暑さ寒さと闘いながら、
知り合いもいなくて、遊ぶ友だちもいなくて、テレビを見ているだけの子どもたち。
できる事は兄弟げんか。
失ったのは、家や家財道具だけではない。
環境や人間関係も失ってしまった。

被災者の自殺問題も深刻。
暗いハナシになっちゃったけど、ホントの事。

もう終わった問題ですか。被災地とか支援とか復興とかうんざりですか。
放射能問題も、被災地の住宅(生活)問題も、まだ進行形。


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by kabo518 | 2011-08-04 23:22 | 震災・支援